《遊庵師弟》
廊下を歩く辰伶とほたるの向こうから、遊庵が走ってきた。
辰伶「む?あれは・・・」
遊庵「あっ!いいトコにいたぜ螢惑!ちょっと頼みてぇことがあるんだけどよ・・・」
螢惑「・・・・・・・・・・・・」
遊庵「何だ?黙っちまって」
螢惑「・・・あれ。辰伶、知らない人に話しかけられたときってどう言うんだっけ」
辰伶「キサマ、何度も何度も同じことを言わせるな!『失礼ですが、どちら様ですか』だ!」
螢惑「あ、そっか。『失礼ですが、どちら様ですか』」
遊庵「お前の師匠の遊庵じゃ―――!!!(辰伶もツッコめよ俺より先に!)」
辰伶「申し訳ございません遊庵様!不肖の弟のしつけが行き届いておらず・・・」
遊庵「あん?螢惑を育てたのはオレだろーが。しつけの件に関しては腹立つけどオレの落ち度だ」
辰伶「(ピクッ)いいえ、螢惑の責任は赤の他人の遊庵様のものではなくすべて兄である私の責任です」
遊庵「(ムカッ)いいや、可愛い弟子の責任は義兄弟なんかじゃなく師匠がとるべきだろォ?」
螢惑(・・・ウザイしよくわかんないけど、とりあえず俺の罪はこの2人が全部ひっかぶってくれるみたいだから黙っとこ)
辰伶「私です!」
遊庵「俺だ!」
螢惑「ねえ、どうでもいいけどゆんゆんの頼みって何なの?」
遊庵「あ!そうだ、今ちょっとした事情で吹雪から逃げてんだよ。かくまってくれや」
辰伶「ハッ、そう言えば俺も吹雪様に呼ばれているのだった。マッハ555で行かなければ!失礼します遊庵様、螢惑(パタパタパタ…)」
螢惑「(マッハ555ってアイツいくつなんだろう・・・)で、俺はなにするの?」
遊庵「俺はあそこに隠れてるから、吹雪に俺の居場所を聞かれても知らないって言え。頼んだぜ!(隠れる)」
螢惑「わかった・・・」
*****
吹雪「ハア、ハア、どこへ行った遊庵・・・」
ひしぎ「見つけたらタダじゃおかないんですから・・・!」
螢惑「あ・・・白い人と黒い人のオセロコンビ」
吹雪「私は吹雪でこっちはひしぎだ!どこかのお笑い芸人と一緒にするな!」
ひしぎ「私、夫婦漫才でしたらいつでもお相手しますが・・・v」
螢惑(ああ、この人が吹雪か・・・)
遊庵(頼んだぜ螢惑!←陰から見てる)
螢惑「で、何でそんなに必死に探してるの?」
吹雪「ああ、アイツが大罪を働いてな・・・」
螢惑「大罪?」
吹雪「俺より先にシャルロット(←猫の名前)にエサを与えたのだ・・・!くそう遊庵めシャルロットはごはんの時にしか俺に触らせてくれないというのにその楽しみを奪いおって!」
ひしぎ「吹雪に仇なすとは不届き千万!あのハチマキをピンクに染め上げた挙句ちょうちょ結びに結びなおしてやります!」
螢惑「・・・・・・・・・・・・(太四老のひとたちって、何でこんなに大人気ないひとばっかなんだろう・・・)」
遊庵(ピンクはやめろ)
吹雪「ちなみに先程辰伶に『遊庵の部屋にあらん限りのくさやをばら撒いてこい』と命令したのであやつの部屋は今頃ものすごい異臭を放っているだろう」
遊庵(辰伶そんなことで呼んだのかよってかアイツもアイツで本当にやるなよ!)
ひしぎ「そうだ螢惑。あなた遊庵を見かけませんでしたか?こちらに来たという情報を得ているのですが」
螢惑「んーん。知らないよ」
遊庵(よし!よく言った螢惑さすが俺の弟子!)
螢惑「っていうか、遊庵って人どこの誰だか知らないよ」
遊庵(無理がある――――!!!)
吹雪「うむ・・・そうか。それでは仕方ないな」
遊庵(え?)
ひしぎ「そうですね、もとからいてもいなくてもいい存在ですから弟子にも認識されてないんですね。失礼しました、螢惑(去る)」
遊庵(・・・見つかって捕まえられた方がまだマシだ、いてもいなくてもいいって・・・)
螢惑「はあ、やっとあっち行った・・・」
遊庵「オイ螢惑、お前なんだあの言い訳は!なんとか信じてもらえたからいいものの、ヘタすりゃお前がオレをかくまってたことがバレただろ」
螢惑「・・・・・・・・・・・・」
遊庵「何だよ。言いたいことあんなら言ってみろや」
螢惑「・・・・・・『失礼ですが、どちら様ですか』」
遊庵「本気で忘れてたのかよ!!!!!」
その後、ほたるは辰伶に「正しい師匠の見分け方」をみっちり教え込まれたそうです。
辰伶「いいか螢惑。無駄に長いハチマキをたなびかせていいトシしてたけとんぼを回して一人で遊んでる悲しい中年男性を見かけたらそれが遊庵様だ」
螢惑「わかった・・・」
遊庵「その説明で納得すんなァァァ―――!!!」
いつも遊庵がかわいそうですみません。
ちょっと辰ほた&遊ほた風味?辰伶と遊庵はほたるがめんこくて仕方ないと思います。
でも2人ともほたにはウザがられてそう。憐れ。
けど辰伶はまだ人望あるからいいけど遊庵は壬生というかこの世の全てから見放されてそうで本気でかわいそうです。
ガンバレ遊庵!
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