《五曜星入隊筆記試験(前編)》












五曜星入隊筆記試験当日。






螢惑「ウザい…ダルい……もう帰る。

辰伶「何だと螢惑!寝ているお前を叩き起こしてやっとこの試験会場まで引っ張ってきたというのに…!」

螢惑「つーか俺、筆記なんて受ける気ないし。どうせゆんゆんが裏口で入れてくれるよ。」

辰伶お前のそういう態度がいかんと言うのだ!ほら、持ち物を点検してやるから出せ。」

螢惑「ないよ。」

辰伶「ハァ!?ではその手さげに入っているのは何なんだ!」

螢惑「全部わさび納豆。

辰伶そんなもん直に入れてたら手さげが臭くてねばねばして後で洗濯が大変だろうが――!!

螢惑「(…多分、ツッコむとこそこじゃないと思う)」

辰伶「チッ、仕方ない。俺の筆記用具を貸してやろう。」

螢惑「え…?すずりや文鎮は一つしかないでしょ。辰伶はどうするの?」

辰伶「フッ…こんな事もあろうかと、筆記用具は20セット用意してきたのだ!」

螢惑「(ああ、辰伶が「ファイトいっぱァァつ!!」とか叫びながら坂道でも引き摺り引き摺りやっとのことで持ってきたこの大荷物はそんな役に立たない無駄なものだったのか)」

辰伶「これで何度すずりが壊れても大丈夫……って、もう全部壊れている!そんな、何故!?」

螢惑「そんな大量に持ってくるから互いにぶつかり合って割れちゃったんでしょ(やっぱりアホだこいつ)」

辰伶「そんな……はっ、良かった、一つだけ無事だ!これで試験が受けられる…!」

螢惑「じゃ、コレ借りてくね。

辰伶「な…何を言うのだキサマァ!あっ、勝手に奪い取っていくな!」

螢惑「だって貸してくれるって言ったよね。あれ、それとも辰伶って嘘つきだったの?泥棒の始まりだね。」

辰伶「そ、それとコレとは……うっ!(マズい、心労たたってまた下痢の発作が…!)」

螢惑「ってことで俺は試験受けに行ってくるから。辰伶も頑張ってね、それなりに。

辰伶「待てケイコ……い、いだだだっ!!腹が……!(この恩知らずめが――!!)」


かわやで用をたし、衰弱しきった顔で試験官に哀願して何とか筆記用具を貸してもらった辰伶であった。

■BACK■

SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送