壬生戦隊タイシローン 第2話
「壬生戦隊タイシローン」へと名前を変えようとしている太四老。
その為の書類を持って辰伶がやってきた。
辰伶「あ・・・あの、吹雪様。すみませんがもう一度・・・」
吹雪「太四老はこれより『壬生戦隊タイシローン』へと改名する。」
遊庵「(辰伶ったら可哀相に、さっきから冷や汗がダラダラ出てますよ)」
遊庵「(そりゃ30過ぎの中年男でしかも自分の師匠である奴にいきなり『俺はヒーローになる!』
なんて意気揚々と言われたら誰だってそうなるわな)」
時人「(吹雪さんの意見だったからつい支持しちゃったけど、やっぱこんな名前イヤだよ・・・。
辰伶止めてくれないかな)」
辰伶「あの・・・・・・さしでがましい事とは存じますが」
ひしぎ「(おお!勇気がありますね、辰伶)」
辰伶「タイシローン・・・・・・今の壬生の経済状態ではローン会社を営む事などできません!
まず株主を集め資本金を用意しなくては・・・」
全員「(誰が会社経営の話をしろと言った――!!)」
吹雪「そうではない…。正義の5人組の悪を倒す組織だ。そうだ、5人には足りぬし辰伶も入らんか?」
辰伶「えッ!正義・・・・・・正義・・・・・・!?」
ひしぎ「(・・・・・・なにか嫌な予感が)」
辰伶「正義・・・・・・!この辰伶ッ、壬生の正義の為なら命をかけてタイシローンを務めさせて頂きますッ!!」
時人「そんな恥ずかしい名前に命かけないでよ。」
遊庵「(辰伶に期待するんじゃなかった…どんどんディープな話になっていってるぞ…)」
パタパタパタ――・・・・・・
吹雪「ん・・・誰だ?今は重要な話をしている最中だというのに・・・」
ひしぎ「(そりゃ伝統ある『太四老』が何故かいきなり戦隊ヒーローになるんですから重要な話ですよね)」
螢惑「ゆんゆん、たけとんぼ壊れちゃったから新しーのちょうだい。」
遊庵「あー・・・螢惑か。また壊したのか?ったく、しょうがねぇなあ」
辰伶「螢惑!?物を粗末に扱うなと言っておるだろう!
いくら遊庵様のたけとんぼが全然飛ばないものであろうと!!」
遊庵「(・・・・・・俺、辰伶に嫌われてんのかなぁ・・・)」
螢惑「うるさいな辰伶・・・。」
辰伶「口答えするな!・・・・・・フッ、それにもう俺は辰伶ではない。
壬生の平和を守る正義の戦士、ミブルーなのだ!!」
螢惑「・・・・・・・・・・・・」
時人「(辰伶、瞳がキランキランしてるね)」
ひしぎ「(『壬生ブルー』をしっかり『ミブルー』と略してるあたりが痛いですね)」
螢惑「戦士?ミブルー?辰伶、本気でそんなのやるつもり・・・?」
辰伶「なッ・・・・・・」
遊庵「(そうだ螢惑、こいつらを止めろ!俺はあのピチピチの戦闘用タイツなんか着たくない・・・!)」
螢惑「辰伶だけずるい・・・。俺もやる。」
全員「(何で―――!?)」
螢惑「俺もやるー。辰伶にできるなら俺にだってできるでしょ、吹雪。」
吹雪「(自分だけ仲間はずれにされて拗ねてたのか・・・)しかし、それでは6人になってしまうな。
昔からヒーローは5人組と相場が決まっているのに・・・・・・」
螢惑「何で?俺、辰伶、吹雪、時人、ゆんゆんで5人だよ。ピッタリじゃん」
ひしぎ「(私 が い な い ん で す が)」
時人「そうだね♪螢惑が入ってちょうど5人揃ったよ。ありがとvv」
螢惑「うん…。」
ひしぎ「(時人、ワザと私の存在を無視して・・・!)何ほのぼのしてるんですか螢惑!アナタ私を忘れ――」
時人「『ヒーローひじき』なんてダサすぎてローカルCMの宣伝に使うことすら許されないよ。」
遊庵「確かに・・・。根暗なヒーローは子供の夢を壊すかもな。」
ひしぎ「ヘタレぱんだに言われたくありません」
吹雪「うむ・・・・・・。そうだ!ひしぎ、お前はアレだ・・・ええと、ホラ、あの基地の留守を守る参謀みたいなやつ。
それを頼もう」
ひしぎ「(吹雪まで!)そんな今やっと記憶の隅から引っ張り出して思い出したような微妙な脇役いりません・・・・・・
それ位なら根暗らしく悪の皇帝にでもなります!吹雪のバカ!」
その後、自暴自棄になりダイナマイトをかき集めて本気で壬生を崩壊させようとするひしぎを吹雪がなんとか宥め、
タイシローンは六人で活動する事になったのでした。
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